1.これは本当のお話です
ランニング中の悪い癖は、ついつい足元を見ながら走ることです。
ちょっと猫背のところがあったり、つまづいてケガをしたことが大きな要因です。
高橋尚子さん(Qちゃん)は、「5・6m先の地面に視線を向け正しいフォームで走って下さい」とマラソン教室で話していました。
今日の課題は「視線の位置を意識して走る」と決めて、顔を上げた時でした。
2.いつも走っている河川敷
いつも走っている河川敷の100m位先に緑色の何かが目に入ってきました。丁度、舗装された道路のど真ん中です。近づくにつれ、緑のものは葉っぱであることが分かりました。ちょうど葉っぱを寄せ集めて、20㎝位の高さになっていました。意味もなく、紙風船が道の真ん中にあったら、思わず、踏んづけてみたい心境になると思います。それと一緒で、緑の葉っぱの山を踏んづけてみたい衝動にかられました。残り、5m位。あと少しでした。しかし、うまくいかないもので、歩数というか、歩幅というか、タイミングがうまく合わず踏んづけることが出来ませんでした。残念でなりません。
3.帰ってくる時・・・
帰ってくる時、この場所を走るので、もう一度挑戦しようと心に決めました。ここは、葉っぱの正体だけでも確認しておこうと見てみると、道端に生い茂っている「クズ」の葉っぱでした。それも大きめの葉っぱばかりを積み上げているようでした。それから約500m、折り返し地点にかかろうとした時です。一瞬、結構強い風が吹きました。丁度、暑い最中でしたので、心地よく感じました。
また、風でも吹かないかなあ~。と思いつつ、折り返し地点を過ぎ、先ほどの場所に近づいた時でした。
あれ、緑色の葉っぱが見えません。先ほどは、よく目立って気が付いたのに。ちょっとずれた眼鏡を直し、もう一度、眼をこらして見てみましたがやはり緑色は見えません。その変わりに茶色の物が目に入ってきました。
近づくにつれ、だんだん茶色の物が形となって確認できるようになりました。
なんと言うことでしょう。
それは、それは、大きな「ウンチ」がとぐろを巻いているではありませんか。あまりの衝撃に立ち止まり、走るのを忘れてしまいました。どうも「クズ」の葉っぱは、ウンチを隠すためのカモフラージュだったようです。それが先ほどの突風で吹っ飛んでしまったということです。
「ウンチ」を横目に、
「アラレちゃん」なら、棒に突き刺して、"んちゃ~"とか言いながら、道端によけてくれるのに!!」と思いつつも、私ではどうすることもできず、非力さを悔やむばかりでした。
4.ただ幸いなことは
ただ幸いなことは、一瞬の欲望にとらわれて、無理して踏んづけなかったことです。あそこで踏んづけていたら、自分の行動を後悔するだけでなく、一日中、憂鬱な思いをするところでした。
それにしても、
「クズ」の葉っぱも、えらい迷惑をこうむったものです。自分の意思でもないのに、「ウンチ」のカモフラージュに使われて。先ほどの突風で、これ幸いと退散したに違いありません。
思いもよらないハプニングに、Qちゃんの教えは頭からすっかり消えていました。